イチモンジタナゴの稚魚

イチモンジタナゴは琵琶湖淀川水系福井県三方湖、そして濃尾平野などに自然分布する、全長4〜6cmになるコイ科タナゴ亜科の魚です。滋賀県ではボテ、ボテジャコと呼ばれる魚の一種で、琵琶湖内や瀬田川などにみられました。しかし、最近では開発などにより、産卵母貝となる二枚貝が減少したことや、オオクチバスなど魚食性の外来種が侵入したことなどにより生息数が減少しています。現在、滋賀県内で生息が確認されているところは数カ所しかなく、絶滅の危機にあります。そのため今年の5月に、滋賀県の指定希少野生動植物種に指定され、滋賀県内の天然水域からの捕獲が禁止されています。
 琵琶湖博物館では2005年に京都市平安神宮から親魚を譲り受け、繁殖に取り組んでいます。今年4月頃から産卵がはじまり、現在約1000尾の稚魚を得ています。今回展示するのはその内の全長1〜3cmほどに成長した50尾です。